pythonによりpdfを画像にする方法

pythonを使ってPDFを画像にする方法についてのメモ。

ただし元は英語記事

 

環境は以下の通り

windows10 64 bit

python 3.6 ( accompanying with Anaconda )

poppler 0.51

pdf2image 0.1.14

 

1) poppler のインストール

ここから、poppler-0.51_x86.7zをダウンロードする。これを解凍するとpoppler-0.51なるフォルダーが現れるはず。

 

pathをつなぐため、以下のコマンドを実行する。

set path=%path%;C:\Users\user_name\Desktop\poppler-0.51\bin 

 

インストールの確認のため、以下のコマンドを実行する。

 pdfinfo.exe

適切に情報が帰ってきたら、popplerのインストール完了。

 

2) pdf2imageのインストール

ここから、pdf2image-0.1.14.tar.gzをダウンロード。これを解凍したら、pdf2image-0.1.14なるフォルダーがデスクトップに現れるはず。

 

上記のフォルダー内に移動して、以下のコマンドでインストールする。

python setup.py install

 

3) PDFを画像に変換する

適当なpdfファイルを用意し(ここでは、"test.pdf"とする)、pdfファイルのある場所で以下のコマンドを実行する。

from pdf2image import convert_from_path, convert_from_bytes

images = convert_from_path('test.pdf')
images[0].save('test.png', 'png')

 

以下の記事を参考にした

PythonでPDFを画像に変換する | ぷろぐら×でざいん

 

関連  

haitenaipants.hatenablog.com

 

haitenaipants.hatenablog.com

 

 

How to install tensorflow and keras on windows10

I am going to explain how to install tensorflow and keras on windows10.

 

This article is originally written by Japanese, and translated into English because I must practice writing English sentence.

 

Please employ this installation at your responsibility.

 

I installed the latest versions of tensorflow and keras on 24 May, 2018.

The enviroment is as shown below:

windows 10 64bit

python 3.6 (installed with anaconda)

tensorflow 1.8.0 (cpu version)

keras 2.1.5

 

(1) Install anaconda

Let me skip how to install anaconda because there are many articles about that.

 

(2) Install tensorflow

(2-1) Download win-64/tensorflow-1.8.0-py36_1.tar.bz2 from here.

 

(2-2) Move to the directry where the downloded file is, and install by the following command.

conda install tensorflow-1.8.0-py36_1.tar.bz2

 

(2-3) Invoke python interpreter, and import tensorflow by the following command.

import tensorflow as tf

 

Probably, you will be said that there is no module named "google".

 

(3) Install protobuf

Honestly, I do not know protobuf well. 

As far as I know, protobuf stands for protocol buffer, and it seems that its role is to make .py file from .proto file.

ex.)protobuf test.proto → test.py

(ref) Protocol Buffers 入門

 

(3-1) Download win-64/protobuf-3.5.2-py36h6538335_0.tar.bz2 from here.

 

(3-2) Execute the following command where the downloaded file is.

conda install protobuf-3.5.2-py36h6538335_0.tar.bz2

 

(3-3) Invoke python interpreter, and import tensorflow by the following command.

import tensorflow as tf

 

Probably, you will be said that there is no module named "absl".

 

(4) Install absl

Honestly, I do not know absl well. 

As far as I know, absl stands for Abseil, and important libraries that Google uses.

(ref) abseil / Welcome to Abseil!

 

(4-1) Download win-64/absl-py-0.2.1-py36_0.tar.bz2 from here.

 

(4-2) Execute the following command where the downloaded file is.

conda install absl-py-0.2.1-py36_0.tar.bz2

 

(4-3) Invoke python interpreter, and import tensorflow by the following command.

import tensorflow as tf

 

In my case, I succeeded to install tensorflow by the above procedure.

  

(5) Install keras

(5-1) Download win-64/keras-2.1.5-py36_0.tar.bz2 from here.

 

(5-2) Execute the following command where the downloaded file is.

conda install keras-2.1.5-py36_0.tar.bz2

 

(5-3) Invoke python interpreter, and import tensorflow and keras by the following commands.

import tensorflow as tf

import keras

 

Probably the following message is return.

Using theano backend 

And you will be said that there is no module named "theano".

 

(5-4) To chage the backend from theano to tensorflow,

you need to rewrite ~/anaconda3/etc/activated.d/keras_activated.dat.

Specifically, you chage the contents from

set "KERAS_BACKEND=theans"

to

set "KERAS_BACKEND=tensorflow"

 

(ref) KerasのバックエンドがTheanoから変更できなくなった話 - 粗大メモ置き場

 

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How to convert PDF to image by Python

pdf2image is a Python wrapper for poppler.

In this article, I illustrate how to convert a PDF file to a image file by pdf2image.

 

The environment is as shown below.

windows10 64 bit

python 3.6 ( accompanying with Anaconda )

 

1) Installing poppler 

Download poppler-0.51_x86.7z from here. When you extract this file, a folder named poppler-0.51 appears on Desktop.

 

To connect path, execute the following command.

set path=%path%;C:\Users\user_name\Desktop\poppler-0.51\bin 

 

Then, to check the connection,  execute the following command.

 pdfinfo.exe

If information is returned properly, you successfully connect the path to poppler. 

 

2) Installing pdf2image

Download pdf2image-0.1.14.tar.gz from here. When you extract this file, a folder named pdf2image-0.1.14 appears on Desktop.

 

Move to the above folder, and set up by the following command.

python setup.py install

 

3) Convert PDF to image

prepare a pdf file (here, I name it "test.pdf"), and execute the following code in the directory where the pdf file is. 

from pdf2image import convert_from_path, convert_from_bytes

images = convert_from_path('test.pdf')
images[0].save('test.png', 'png')

 

Note:

I moved the folder, pdf2image-0.1.14, to ~/anaconda3/Lib/site-packages, because I do not know "setup.py" well. When you do not succeed to convert PDF, please try it.

 

「失恋ショコラティエ」で学ぶ自分を好きになる方法

目次

1)はじめに

失恋ショコラティエ」はタイトル通り、失恋がメインテーマの漫画である。

失恋の痛みであったり切なさを見事に描き切った名作だ。えぐられた人も多いだろう。

 

彼女に振られた自分は「失恋ショコラティエ」を大人買いし、場所を問わず号泣した。

会社の休憩所で顔を抑えたり、電車内でハンカチを顔に押し付けてる人がいたら、多分僕です。

 

さて、「失恋ショコラティエ」にはサエコさんエレナ薫子さんまつりちゃん四人のヒロインが登場する。

 

 サエコさんを除く三人には共通点がある。それは、自分に自信がない、言い換えれば自分のことがあまり好きではない描写が少なくないのだ

サエコさんが剛のものすぎてそう感じるだけかもだが)

 

そんな彼女たちも、最終回に近くにつれ、少しずつ成長し、強くなっていく。

そこから自分を好きになる方法について何かしら得るものがあるのではないだろうか。

 

そこで、サエコさん以外のヒロイン、つまり、エレナ、薫子さん、まつりちゃんに注目することにより自分を好きになる方法について考察していく。

 

ただしネタバレを含んでいるので、読んでいない方はご注意。

 

 

2)エレナと薫子さんの場合 

エレナは爽太と戦わずにいたことを後悔していた。

「やり直せるなら戦いたい…

上手くいかなくても成功しなくてもいいから戦いたいよ…」

この場面でえぐられた人も多いだろう。僕もえぐられました。友達ですね。

そんなエレナも、六道からの言葉を思い出し、爽太と対決することを選ぶ。

ちゃんと自分に全てを話して欲しいと。

 

一方、薫子さんも、片思いしていた爽太にハッパをかけることにより、けじめをつける。

「本当に悪いと思っててバツを受けたいなら

加藤えれなさんから受けなよ!!」 

この場面でえぐられた人も多いだろう。僕もえぐられました。友達ですね。

薫子さんは、サエコや関谷との出会いを通じて、自分を褒められるような生き方を選んだのだ。

 

二人のエピソードは自分のことを好きになるために大切なことを教えてくれる。

何かに対して、ちゃんと向き合って戦った時。

自分に「よくやったね」と言えるような生き方ができた時。

そんな時、少しだけ自分を好きになれないだろうか。

 

3)まつりちゃんの場合

しかし、まつりちゃんに限っては、クライマックスに明確に何かを乗り越えるという場面がない。

最終回近くでも割とふわふわうじうじしている。

というか作品を通じて、まつりちゃんはオリヴィエに流されているという印象が強い。

 

けれど、まつりちゃん(とオリヴィエ)のエピソードは、自分を好きになる上で一番重要なことを示していると思う。

 

まつりちゃんはオリヴィエと関わっていく中で、葛藤を繰り返しながら少しずつ前に進んでいく。二股彼氏との関係を切り、時にオリヴィエと衝突しながら、色々な好きの形を知り、愛を育んでいく。

 

人との出会いによって成長していく姿。

それこそが、エレナと薫子さんにも通じる、自分を好きになるということの本質なのかなと思う。

 

身も蓋もないが、人との出会いこそが自分を好きになるためには必要なのだと思う。

 

4)最後に自分の場合

というか、なぜこの記事を書いたかというと、自分も似たような経験をしたことがあるからだ。ということで以下では自分の話をする。どこまでも月並みな話だが。

 

自分はなんというか傷つきやすい性格である。 

人に言われたことをいつまでも引きずってしまう面倒な性格をしている。

 

だから、高校に入ったぐらいから人と深く関わるのを避けてきた。

ずっとぼっちだったし、人と話していても気を使って疲れていた記憶しかない。

人間関係で失敗しない一番の方法は相手に深く関わらないことだ。

 

そんな自分だが、大学の四回生ぐらいに女の子の友達ができた。

爽太とエレナじゃないが、お互いふわふわした関係を続けていた。

 

最初はどーでもいいと思っていたが、知り合っていくうちに段々とその娘のことが好きになっていった。

なんというか、人と会うといつも気疲れするのに、その子と会うとそういうことが少なかった。自分にとって初めての体験であった。あとモテない理系大学生でしたし。

 

その子と過ごすうちに、 ちゃんと人と向き合える人間になりたいと思うようになった。

もっとはっきりいえば、この子とちゃんと向き合って付き合いたいと思った。

どこかで、いつまでも浅い関係しか築けないのはダメだと思っていたのもあった。

また今思えば、浅いつながりだけでは、彼女がどこかに行ってしまうような気がして怖かったのだと思う。

うわーチキンだわーサイテー!! (by薫子さん) 

 

とにもかくにも告白しようと思った。

だがしかし、経験のある人なら分かると思うが、こういうふわふわした関係の人に告白するってめちゃくちゃ緊張する。

人と適当な関係を築いてきた自分ならなおさらだ。自分の本当の気持ちを伝えようとすると、なぜか涙が出てきてしまう。

 

変な話だが、告白しようと思っていた時期は鬱みたいな状態だった。

心の中で、だからお前はダメなんだとか、今までの失敗とかが押し寄せてきていた。 

だけど、ちゃんと人と向き合える人間になりたかった。

 

めちゃくちゃ頑張って、夜景の綺麗なところで告白した。いつもの二人みたいなグダグダな感じだった。めちゃくちゃ緊張したが。結果はOKだった。

 

あの時ほど、自分に対して「よくやった」と思ったことはない。

告白が成功したからではなく、自分の気持ちを伝えられたのが嬉しかったからだ。

本当に今までの自分じゃありえないことを成し遂げたと思った。

 

結局、数ヶ月後にその子に振られて、「失恋ショコラティエ」を読むことになったが。

けれど、告白したことを後悔していない。

あの瞬間のおかげで、自分のことが少し好きになれたと思うのだ。

 

昔は、自分に対して、いつもヘラヘラなよなよしているなと思っていた。正直好きとも嫌いとも思っていなかった。時々、すごい嫌いだったが。

 でも今は、普段はヘラヘラしてしょーもないやつだけど、まーやる時はやるし、トータルではいいやつだと自分で思う。

言い換えれば、昔の自分とは友達になれないと思うけれど、今の自分とは友達になれそうな気がする。

 

でもそう思わせてくれたのは、やはりその彼女との出会いなのだと思う。 

 

 

PyOCRでconfigを読み込む方法

PyOCRconfigを読み込む方法についてのメモ。

 

ちなみに以下のような環境を想定している。

Windows10 64bit

python 3.6

OpenCV 3.4.1

tesseract 3.02

PyOCR 0.5

 

またPyOCRのインストール方法や基本的な使い方は以下を参照のこと。

haitenaipants.hatenablog.com

 

0)configデータの確認

tesseractをインストールすると、~\Tesseract-OCR\tessdata\configsというディレクトリがあるはず。

(自分の場合は、C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Tesseract-OCR\tessdata\configsにあった。)

この中のdigitsが以下のようになっていることを確認する。

tessedit_char_whitelist 0123456789-.

1)configの設定 

以下のような、image1.jpgなる画像を用意する。

f:id:haitenaipants:20180629111618p:plain

image1.jpg

この画像に対し、以下のコードを与える。

特に赤文字の箇所においてconfigを設定し、digitsを読み込んでいる。

import pyocr
import pyocr.builders
from PIL import Image

img = Image.open("image1.jpg")

tools = pyocr.get_available_tools()
tool = tools[0]

builder = pyocr.builders.TextBuilder(tesseract_layout=6)
builder.tesseract_configs.append("digits")

res = tool.image_to_string(img,
                                           lang="eng",
                                           builder=builder)

print(res)

 

結果は以下のようになる。数字だけを含んでおり、configの設定に成功していることが分かる。 

 1234567

 

以下の記事を参考にした。

qiita.com

 

関連 

haitenaipants.hatenablog.com

 

ssd kerasの学習モデル作成

ssd kerasの学習は大まかに以下の手順で行われる。
1)jpeg等の画像データの収集
2)モノの”種類”と”位置”を記したxmlファイルの作成
3)pklファイルxmlファイルをまとめたファイル)の作成
4)上で作ったpklファイルにより学習を行う

このssd kerasの学習についてのメモ。

 

参考にされる方は自己責任でお願いします。

また学習モデルの作り方を理解するには、ここここを参考に、VOC(Visual Object Classes)のデータで練習するのが一番だと思います。

 

考えている環境は以下のようである。

windows 10 64bit

python 3.6

tensorflow 1.8.0 (cpu版)

keras 2.1.5

labelimg

ssd_keras


1)ssd kerasの準備

ここから、ssd_kerasをデスクトップにダウンロードする。学習モデルもダウンロードしておく。
ssd_keras-masterというフォルダーがデスクトップに現れるはず。

この内部に、以下のようにtestというディレクトリを作成する。

ssd_keras-master/
 └test/

 

ちなみに、keras2.0以上を使っている場合は、ここを参考に、ssd_layers.pyにおいて

def get_output_shape_for(self, input_shape):

def compute_output_shape(self, input_shape):

に変更する。


2)画像の用意

例として、はてなマークを検出するモデルを作成する。

testディレクトリ内に以下の画像を用意する。

f:id:haitenaipants:20180620002328j:plain
f:id:haitenaipants:20180620003958j:plain
f:id:haitenaipants:20180620004003j:plain
左から fig1.jpg, fig2.jpg, fig3.jpg

ちなみに、画像は2枚以下だと後々困るので3枚以上用意すること。
(画像は訓練用と検証用に使われ、2枚以下だと画像が全て訓練用に使われてしまい、検証用の画像がなくてエラーが出る)


3)xmlファイルの作成

labelimgを用いて、用意した画像からxmlファイルを作成する。

labelimgの導入方法は以下の通り。
haitenaipants.hatenablog.com

ここでは、”question_mark”というラベルでラベリングした。

また、考えているディレクトリ内は以下のようになっているはず。

ssd_keras-master/
 └test/
   ├ fig1.jpg
   ├ fig2.jpg
   ├ fig3.jpg
   ├ fig1.xml
   ├ fig2.xml
   └ fig3.xml

これらを、figとxmlというディレクトリを作って、以下のように整理する。

ssd_keras-master/
 └test/
   ├ fig/ 
   │ ├ fig1.jpg
   │ ├ fig2.jpg
   │ └ fig3.jpg
   └xml/
     ├ fig1.xml
     ├ fig2.xml
     └ fig3.xml

 

4)pklファイルの作成

ssd_keras-master/PASCAL_VOCの中にあるget_data_from_XML.pyssd_keras/testにコピーアンドペーストする。

このget_data_from_XML.py内部の"aeroplane""question_mark"にする。

次に、pythonを起動して、testディレクトリ内において以下のコマンドをうつ。

import pickle
import get_data_from_XML

data =get_data_from_XML.XML_preprocessor('xml/').data

pickle.dump(data,open('test.pkl','wb'))

test.pklができていることを確認。

 

5)pklファイルの確認

上のコードに続いて、以下のコマンドを実行する。

f = open('test.pkl', 'rb')

data = pickle.load(f)

print(data.keys())

print(data['fig1.jpg'])

行列が出てきたら成功。

 

6)学習モデルの作成

ssd_keras-masterにcheckpointsというディレクトリを作っておく。

あとはこここことかを参考に、SSD_training.ipynbを書き換えてjupyter notebookで実行するのみである。

ポイントとしては、

(a) In [2]

NUM_CLASSES=4

を以下のように書き換える。

NUM_CLASSES=21 

 

(b) In [4]

gt=pickle.load(open('gt_pascal.pkl','rb'))  

を以下のように、作ったpklファイル名に書き換える。

gt=pickle.load(open('test/test.pkl','rb'))  

 

(c) In [6]

path_prefix='../../frames/'

を以下のように、画像のある場所に書き換える。

path_prefix='test/fig/' 

 

(d) In [6]

gen=Generator(gt, bbox_util, 16, '../../frames/',

               train_keys, val_keys,

               (input_shape[0], input_shape[1]), do_crop=False)

を以下のように書き換える。赤字は変更箇所を示す。

gen=Generator(gt, bbox_util, 1,'test/fig/' 

               train_keys, val_keys,

               (input_shape[0], input_shape[1]), do_crop=False)

 

 

失恋などから立ち直るための本「HOW TO FIX A BROKEN HEART」(洋書)

目次

 

1)本の紹介

実際の研究結果や著者ガイ・ウィンチ(Dr. Guy Winch)の経験から、失恋などから立ち直る方法について述べている本。

著者は心理学者で、かつニューヨークにクリニックを開いている。

またTED Talkでもスピーチを行ってたりする。

 

全体の流れとしては、著書の元に相談にきた患者を元にして話が進む。

その患者たちというのが

・二度の闘病を乗り越える精神力にも関わらず、半年付き合った彼氏(Rich)に振られて、ずっと前に進めずにいるKathy

・最愛のペット(Bover)が死んでしまい、両親が亡くなった時より立ち直れずにいたBen。

・たった一回のデートで振られ、ものすごい落ち込みを見せるLauren。

・何十年前に別れた彼女をネットストーキングし続けるDev。

など割と個性的なところがあり、実用的な面を除いてもお話として面白かった。

個人的なお気に入りはDev。すがり方がみっともなさすぎて笑ってしまった。

でも一番闇が深いのはRichだと思う。人間関係の切り方がすごい。

 

洋書であるが、単語も易しく文章量も多くないため、読みやすい本であった。

また、本書のクライマックスになる第4章の一節”The Many Different Ways We Need to Let Go”の冒頭は少し胸にくるものがあった。

 

振られて辛い人もそうでない人もオススメの一冊。

 

2)要約(以下ネタバレ)

第1章 どのようにして心の傷は見捨てられるのか

大切な人を失うのはとても辛いことである。このような時に感じる心の傷から回復するには、周りからのサポートが重要である。

しかしながら時に心の傷というのは軽んじられ、サポートがうまく得られない場合がある。例えば、

・失恋やペットの死というのは、両親の死などと比べて軽んじられ、社会からのサポートを得にくい。

・ずっと立ち直れずにいると、最初は思いやりを見せた人も次第にうんざりし始め、サポートがなくなることがある。

実際にどれだけ傷ついたかではなく、どれだけ傷つくべきと思われているかによって、他人からの思いやりは決まってくるのだ。

 

また自分自身が、心の傷を恥じてしまうことがある。例えば、

・振られたのが恥ずかしくて周りに相談できない。

・ペットが死んだだけなのに、なぜこんなに辛いんだろうと思ってしまう。

このように心の傷を自分の中だけに留めてしまい、自分を責めすぎてしまう時がある。

 

以上のように心の傷は時に軽んじられ、それが心の傷からの回復を妨げることがある。

しかしなぜ、このように心の傷は軽んじられてしまうのだろうか?

それは、人々が心の傷がもたらす影響をちゃんと認識していないからである。

 

第2章  心が傷ついた時、脳や体もまた傷ついている

心の傷が影響を及ぼすのは、心や感情だけではない。 

 

(2−1)物理的な痛みとの比較

失恋したばかりの人に元恋人の写真を見せると、身体的な苦痛を感じた時と同じ脳の部位が活動する。

そればかりでなく、その苦痛の程度は”身体的に我慢できない痛み”を少し下回るだけのものである。

(身体的に我慢できない痛みを10としたら、失恋の痛みは7〜8程度)

つまり、心の傷を負うことにより、かなりのレベルの身体的な不快感を数週間から数ヶ月味わうことになる。

腹痛や頭痛を感じている時、集中力やIQといった様々な能力が下がる。このことを考えれば、心の傷がいかに深刻な影響を生活に与えるかがわかる。

 

(2−2)中毒

脳に関する研究によると、人は失恋をすると麻薬中毒者のような反応を起こすという。

つまり、コカインやヘロインを求める麻薬中毒者のように失った人を求めてしまうのだ。

これにより、記憶の中で失った人を思い出そうとしたり、めちゃくちゃな理由をつけて連絡したり会うことを正当化してしまう。

また今の時代なら、ソーシャルメディアなどで失った人を追いかけてしまったりする。

 

ここで強調をしておきたいのは、自分はもう乗り切ったと思っていても、タバコや薬物を絶った人のように、強いストレス等を感じた時にこの症状が起きてしまう時があるということである。

さらに強調をしておきたいのは、タバコや薬物を絶った人とは違って、これを中毒症状だとはみなしていない場合があることである。

例えば、なんとなく気になるぐらいの気持ちで 、元カレや元カノのことを調べてしまうことはないだろうか。

しかし、このような時は大抵ストレスを感じていたり、自分の今の関係が上手く行っていない時なのだ。

つまり、自分で気づいていないだけで、中毒症状をぶり返してしまっている。

 

そして、このほじくり返すような行動により、心の傷の回復が遅くなってしまうのである。

 

第3章 回復を妨げる多くの間違い

第2章で述べたように、失恋などで傷ついた時、私たちは往々にして以下に示すような適切ではない行動をとってしまう。

そしてこれが心の傷の回復を遅らせることがある。

 

(3−1)過度の自己非難

自分は何かいけないことをしてしまったのだろうか、あの時ああしていれば。

また、自分がもっと可愛ければ、もっと笑顔が素敵だったら。

人は失恋などで傷ついた時、自分の行動やあり方について、様々な自己非難を行うことがある。

このような非難は別に異常なことではない。

しかし、自尊心の低さなどに起因して、過度に自分を非難してしまうのは問題である。

例えば、あまりにも長い期間自分を責めすぎてしまったり、あまりにも現実から乖離した非難をしてしまう場合である。

(周りから何回も可愛い/かっこいいと言われているのに、自分がブサイクで振られたと思い込んでしまったり)

このような過度の自己非難は心の傷の回復を遅らせてしまう。

 

(3−2)失った相手を理想化すること

 人は振られた時に、もうこんないい人とは出会えない等と、失った相手を理想化してしまうことがある。

このような理想化は、喪失感を増大させ、心の傷から立ち直るのを遅らせてしまう。

このような理想化を防ぐためには、相手の嫌なところを思い出して、意図的に認識のバランスをとることである。

これは、相手を嫌いになったり悪口を言うということではない。

もうこんな人に出会えないかもという不安を取り除き、前に進むために行うのだ。

 

(3−3)避けること 

大切な人を失った時、その人に関わる場所やものを避けてしまうことがある。

しかし、心理学的に見て、あることから避けることは逆にその存在を大きくしてしまうことがある。

 

これを防ぐには、避けていた場所やものと新たな関係を築くことである。

 

例えば、元彼と行ったレストランを友達と行ったりするのだ。

最初のうちは元彼とのことを思い出してしまうが、何回も尋ねることにより段々と古い思い出が消えていく。

 

(3−4)思い出の品をいつまでもとっておくこと。

思い出の品を取っておくことは、失った人との感情的な繋がりがまた存在していることを反映している。

逆にいえば、思い出の品を捨てることは、感情的な繋がりを手放すことである。

思い出の品を捨てることは、時に罪の意識や裏切りの感情を伴うことがある。

しかし、心の傷を癒やすためには、思い出の品を処理するべきである。

 

第4章 回復は心から始まる

心の傷から立ち直るためには、上で述べたような行動を避けるだけではいけない。

回復への最終ステップ、つまり、前に進むという決心をつけなければいけない。 

 

(4−1)Self-compassion(自分に優しくする)/マインドフルネス

最近の研究では、心の傷から立ち直るために、中立的で優しさと思いやりを持った内なる自分を育てることが有効であると言われている。

 

人はミスをしたりして上手くいかない時に自分を責めてしまうことがある。

例えば、自分がのろいからいけないんだとか、全部自分のせいなんだと思ってしまうことは誰にでもあるだろう。

 

しかし、友達が同じように失敗した時に、そのような言葉を投げかけるだろうか。

普通友達が上手くいかなかったら、励ましたり思いやりを持って接するだろう。

そのような態度を自分自身にも向けるのだ。

 

また、ネガティブな考えや記憶を反芻することは習慣になりやすい。

これに対抗する術として、マインドフルネスがある。

 

マインドフルネスは自分の意識を、過去や未来ではなく現在に集中させることである。

マインドフルネスは、ストレスなどを低減し、精神的なメリットがあるという。

 

 (4−2)自分自身を取り戻す

数々の研究で、別れたあとに自分自身を取り戻し、自分を再定義できた人は失恋からの回復が早くなることがわかっている。

逆に、別れたあとに自分自身を再定義できない人は回復が遅くなってしまうという。

 

そして様々な研究において繰り返し言われているのは、心の傷から立ち直るのにもっとも効果があるのは、新しい人を見つけることじゃないかということである。

 

3)感想

toeicの勉強として読んだが、内容は非常にためになるものであった。 

これは失勉(失恋中の勉強)にとって非常にいい教材だと思う。

 

ただ、全体的に良いことが書いてあるなと思ったが、気になった箇所が複数ある。

 

まず、Bover(Benのペット)の思い出の品を捨てる必要はないと思った。

確かに、失恋などで思い出の品を捨てることは有効な方法だと思う。

しかし、ペットの死などの場合に思い出の品を捨てるのは本当に良いことだろうか。

むしろ捨てたことを一生後悔してしまうだろうと思った。

 

また、前に進むことに重きを置きすぎて、自分を見つめ直すことの重要性が語られていないように思った。

確かに、過度に自分を非難するのはダメだし、自分に思いやりを持つことは良いことだと思う。

しかし、振られた時は自分の悪いところを把握することは大切である。

なので適切に自分を見つめ直す方法とかも書いてくれたら良かったと思う。

 

上では気になった箇所をあげたが、本書の内容は基本的にスタンダードかつ納得のいくものである。

そのため、この本を読むことにより「自分は今、自分を責めすぎているな」等、自分のことを少し客観的に見られる。

このことは、 どんな選択をとるにしても必要なことかなと思う。

 

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